• 植本一子

「35歳」


潤ちゃんへ


 レモンの木か。さすがおしゃれやな、と思ってしまったわ。笑

 潤ちゃんと連絡を取り合う時は、なぜか自ずと関西弁になってしまいます。私も西日本の生

まれだけど、さすがに関西弁は喋れない。でも関西弁を喋る人は結構好きで、聞いてると嬉し

くなる。特に潤ちゃんは飾ってない関西弁というか、汚くて綺麗なのがいいなあと思ってた。

なになにやに、とか潤ちゃんからしか聞いたことないよ!褒めてます。

 昔は、西の人のほうが気が合うなあ、なんてことを考えたりもしたんだけど、西とか東と

か、何かで隔てる、区別するっていうのがナンセンスでしかない。気が合う人とは気が合う。

それだけだなと思います。

 私は今日、実は誕生日なのです。砂鉄さんから「19歳になったんだっけ?」ってさっきLINE

がきたけど、割と最近まで歳を聞かれた時に「18歳です」とか返したりしていて。これ「サム

いからやめろ」って言ってきたのも砂鉄さんだったんだけど、今考えると、自分の中には、歳

をとることに対してだいぶ抵抗があったんだろうな。去年35を超えた時は、なんか折り返した

な、と思ったんだよね。人それぞれ体力も違うし、そのうち病気をするかもしれないし、何が

起こるかわからないけど、だいたい70歳くらいまでがきっちり働ける限界なんじゃないかな、

とぼんやり考えていて。70歳って、自分の親がそれくらいなんだけど、もうずいぶん会ってな

いから会うのが怖いくらい。老けてる姿を見るのが怖い。昔は、何となく自分はずっとこのま

まなんじゃないかって思っていたりもしたんだけど、さすがに体力とか持たなくなってきて、

白髪とかまだ楽しんで探せるくらいなんだけど、これが老化かあって思うことが増えてきて、

いろいろ考える。子供とか見てると、自分もそうだったように、成長曲線が上向きでしかない

のがすごい。我々は完全に下降してってるよね。

 下降とかいうと、なんか暗く感じてしまうけど、生きるのが楽になったのも歳をとったから

だなあとも思うし。

 45歳で赤ちゃんを産みたくなった話、なんかよくわかる。潤ちゃん今いくつなん?ほんとに

気の合う近所のお姉ちゃんくらいに思ってて、年齢差とか気にしてなかった。出産のリミット

は、私はもう少しあるけど、こういう時期が一番しんどいんだろうなと思う。この話はまた

会った時に。

 本当は「35歳」っていうタイトルで、35歳のうちにエッセイ集を出す予定だったんだけど、

全くエッセイが書けずに36歳になってしまったわ。担当編集さんからも誕生日のLINEが来たけ

ど、申し訳なくて返信ができない。そう考えると30代中盤って、色々考えることがあってし

んどいのかも。潤ちゃんはどんな30代を過ごしたかな。新刊楽しみにしてるね。

コメントはログインができない設定なので悪しからずご了承ください。