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Jun

こころに残る家族の旅


 先日思いがけず夏休みをもらい、2泊3日で家族旅行なるものに行ってきました。例年は私が夏の出張で3泊4日など留守にする間に、扉野さんが子どもたちを連れて周防大島に行ったりしていたのですが、今年は「みんなで行こう!」と言う扉野さんの気合いに押され私も行くことになりました。私はほおって置いたらすぐに仕事を入れてしまうタイプなので…。

 行き先はあちこち候補が出たのですが、ずっと訪ねたかった弟家族の暮らす福井。レンタカーを頼んで、仕事の段取りをつけて、荷造りをして、あっという間に出発の日がやってきました。

 私の背中を押してくれたのは小川奈緒さんの新刊『こころに残る家族の旅』でした。旅行が決まってから何度もページをめくって気持ちを奮い立たせたり、旅のイメージを膨らませたりしました。

 一番こころに響いたのは帯にもある「家族旅行は楽しくて愛しい。」とはじめにの「たいへんだからこそ、かけかけがえのないものになる。」の一文。

 そうなんです!家族で異動すると言うのは一人旅や大人だけの旅にはないハプニングや大変さがどんどんやってくるのです。そのことを想像したり、過去のいろんな出来事を思い出すだけで何とは無しにどよーんとしてしまう。でも辛かった思い出やケンカしことさえも時間が経つといい思い出に発酵していくもので、やっぱり出かけなければ何も起こらないのですから、せっかく行くチャンスがやってきたら逃すのはもったいないですよね。

 この本の中には、近所に出かける小さくて気軽な旅から、遠い異国の地に出かける冒険のような旅まで、同行人も様々な「旅」が詰まっています。

 読んでいるとなるほどと感心したり、そのアイデアいただき!と膝を打ったり、それはそれは楽しかった。そして旅は日常と日常の間にある非日常であると言うことを改めて感じました。「旅に出よう」と考えた時から旅は始まっていて、帰ってきてからは時々思い出す特別な時間をくれるものだと言うことを思い出させてくれるそんな本。

 この夏、家族で旅に出かける予定のある人も予定のない人も、ぜひ手にとっていただきたいです!


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