• Jun

儀式または習性のようなもの


 私は昔からよくものをこぼします。三重弁では「ぶっちゃける」と言います。お正月に着物を着て店に立った年があって(あれは後にも先にもあの年だけだったのですが)閉店後の新年会でやっぱりというか見事にというか、お刺身のお醤油のお皿を膝の上にぶっちゃけ、恵子さんに話すと「やると思っていた」と呆れられたものです。

 リトアニアからオーダーしていたmukuのお洋服が届きました。私はギリギリまで悩んで白のパンツもオーダーしました。冬の白?と思ったのですが黒やネイビーのセーターに白のパンツを合わせたらきっととてもいいだろうと思って楽しみにしていたのです。

 初めてそのパンツを履いて先日奈良の講演に出かけました。今回は奈良県立図書情報館主催の研修会で呼んでいただいたのですが、私に声をかけてくれた方は、私の大切な友人の高校時代の同級生だったという不思議なご縁で繋がった方でした。講演を終えて駅まで送ってもらいなんだか名残惜しく、駅前の喫茶店で「お茶でも飲みましょう」となりました。お昼を食べそびれていた私はコーヒーとパンのセットをお願いして、友人のこと、お互いの仕事のことなど色々話しました。初めて会ったのに安心できるというか、同じ方向を向いているような気持ちがする嬉しい出会いでした。

 パンはごぼうと鶏肉の炒めたものがのっているお総菜パンでした。おしゃべりに夢中になっていたからなのか、鶏肉がコロンと転がって白いパンツの上に落ちてシミになりました。「やっぱりなあ」と思いつつ、どうしてこうなることがわかっているのに膝にハンカチを広げたり出来ひんのやろうなあと半ば自分に呆れました。でもカバンにはそのハンカチさえも入っていなかったのでした。


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