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寂しくない
私が京都に来て9年暮らした路地。そこにNYから若い夫婦が越して来たのが2012年。あの頃2歳だったようようはジェフが大好きで、保育園から帰ってくると真っ先にジェフの家の前に行って大きな声で「ジェーフー!」と呼びます。陶芸家のジェフは家をアトリエにしていたので、作業の手を止めて「ヨーヨー!」と顔を出してくれてロケットごっこや電車ごっこでひとしきり遊んでくれるのです。
そのうちにセツが生まれてジェフとジャスティンのところにもイザベルが生まれ賑やかになりました。私たち一家が引っ越したので、それからは時々行き来をするくらいだったけれど、保育園のお迎えの時にばったり会うと立ち話をしたり、路地に遊びに行ったりして仲良くしていました。
先日、三人はアメリカに本帰国することになり、引っ越していきました。空っぽの家を見てなんだか寂しくて寂しくてしょんぼりしていると、セツが「じゅんちゃんさみしいの?」と聞くので「セツは寂しくないの?」と聞くと「さみしくない」ときっぱり。「なんで??」と聞くと「だってなまえおぼえてるから」と言いました。ほんまやな。ちゃんと覚えてるから大丈夫やなとセツに教えてもらったような気持ちになりました。