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  • Jun

保護者会会長による祝辞


 ようようとセツが保育園に通って今年で通算7年か8年。とてもお世話になっているのですが、この度ついにというかいよいよというか保護者会会長を仰せつかりました。「あ〜ついにきたか〜」とトビラノさんと嘆いているとようようが「こういう時いっつもじゅんちゃんはチャンスが来たって言うやんか!がんばりなよ!」と言いました。

 二人で力を合わせて、どうせやるなら頑張ってやろう!となり、本日入園式で会長の初仕事「会長による祝辞」がありました。

 当日私は店を抜けられないので、トビラノさんは数日前からかなり悩みながら挨拶を書いていたようで、今朝発表がありました。これが驚くほどいい挨拶で私は感動をしました。

本人の許可を得てこちらに紹介したいと思います。

平成三十年度入園式 祝辞  桜が満開の晴れの日、保育園に新しく入園をされたみんな、おめでとう。そして、保護者のみなさま、おめでとうございます。  さて、みんなにとって今日はどんな日でしょう。  きっとこれから、お母さんやお父さん、おじいちゃんやおばあちゃんといった、いつもいっしょにいる大好きな人たちからはじめて離れることになるので、とても緊張しているのではないでしょうか。そんなことを聞いたら、泣き出したくなるでしょう。  でも大丈夫。けっして離れるということはないからです。  でも今日からみんなは、はじめてひとりということを感じるでしょう。みんなのお父さんやお母さんにとっても、今日はきっとひとりを感じています。  まわりを見まわすと、ここには、はじめて見る顔、はじめて見る窓、はじめて見る天井、はじめて見る先生、はじめて見るおじさん。このおじさんはやさしいかな、こわいかな、そんなことを思ってるのではないでしょうか。  みんなは、はじめてのものばかりに囲まれています。これは、とっても不思議なことだと思います。  お父さんやお母さんは、みんながこの世に生まれてきたとき、はじめてあなたに会いました。そのときも、みんなははじめてのものばかりに囲まれていました。  子どもが誕生したとき、命がここにやってきたという大きな喜びと共に、わたしは心臓が張りさけそうになるくらい不安な気持ちになったことを覚えています。その不安な気持ちはほんの一瞬でしたが、思い返してみると、はじめて両親と離れて幼稚園にやってきたときの、あのひとりぼっちになったときの不安と似ていたかもしれません。  ひとはときどきひとりぼっちにならないと大きくなれないのです。  たとえば、お母さんから生まれてきたとき、あなたもわたしも、生まれてはじめて一人になったときでした。生まれてきた子どもは、「オギャー」と泣き声をあげるでしょう。あれは、はじめてひとりになって驚いてるのかもしれませんね。でも、ひとりじゃないとすぐ気がつくでしょう。お母さんがすぐ横にいるとわかるからです。  「慈悲」という言葉があります。わたしは見てのとおり、髪の毛はありますが、僧侶、お坊さんをなりわいとしております。「慈悲」とは仏さまが私たちをいつくしんで情をかけてくださっていることですが、「はぐくむ」という意味もございます。「はぐくむ」という言葉は、今では「養い育てる」という言葉として使われておりますが、仏教の世界では「慈悲の心」を指して、「助け護る」という意味をもっているのです。  ひとはひとりぼっちを感じるとき、じつは「慈悲」という心をどこからかけてもらっていることに気がつくのです。愛情と言ってもいいでしょう。赤ちゃんが最初に受けとめる愛情は、お母さんやお父さんからのものです。そうやってわたしたちは育まれてきました。つまり、「慈悲」の心によって助け護られてきたのです。  今日、みんなはひとりぼっちです。でも、今日からみんなは、たくさんの友だちや大人たちと出会うことになります。その友だちや大人たちといっしょに過ごすことで、育まれていくのです。  「でも大丈夫。けっしてひとりぼっちじゃないよ」と言ったのは、そういうことでした。  最後に、ひとつ子どもの詩を読ませていただきます。  『きりん』という子どもの詩の投稿雑誌が半世紀以上も前、大阪から出ていて、もしかしてここに来られているおじいちゃん、おばあちゃんの中に『きりん』をご存知の方もあるかもしれませんが、今から読む詩は、一九五七年六月号の『きりん』に載っていた、石川県の小学二年生の女の子の詩です。 こころ 人げんは 生まれたとき こころがない それで おしっこたれする ごはんを たべるようになると お米の中の、神さまが 心になる。 だんだん 大きくなって、 たくさん ごはんをたべ、 どっさりこころになる。        (『きりん』一九五七年六月号) 話が長くなりました。みんなもおなかがすいてきたことでしょう。 ごはんをたくさんたべて、どっさり「こころ」をはぐくんでください。


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