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Jun

スリップ


 本屋に並んでいる本には大抵紙の栞のようなものが挟まっているのをご存知でしょうか?これはスリップと言って本の補充注文カードとしてかつてはなくてはならないものでした。本屋はスリップを見て売れた本を把握し注文をするのです。かつてはと書いたのは今では小さな書店以外はスリップよりバーコードの方が大事で、売れた本はデータとして認知され補充されているのではないかな。

 歴代メリーゴーランドのスタッフはスリップには並々ならぬ愛情と思い入れがあります。昔は売れた本のスリップは全て取ってあって、年に一度スリップの山を眺めながらの「スリップパーティー」を開いたこともあります。それくらいスリップは本屋の命でした。

 最近スリップを廃止する出版社が増えてきて、スリップが姿を消しつつあります。これは私たちにとっては大事件。油断をしていたらあるべき本を注文し忘れているということが頻繁に起こりそうだし日々のいろんなところで支障を来すことは間違いないのです。スリップとは比べ物にならない事かもしれませんが、キャッシュレスにも危機感を覚えます。利便性を追求するばかりに大切なものを失くしかねない!大人は便利でいいかもしれませんが子どものおこずかいやお年玉をカードで払いたい大人なんておるんかいな。実感や張り合いや達成感などどれも目には見えないものばかりですが、目に見えるものよりも大切なものだと思うのです。


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