• JUN SUZUKI

一子さま

最終更新: 6月6日

 私から「いっちゃん! 往復書簡しいひん?」と声かけてから、少し時間が経ってしまいました。

 6月になって小学校が再開されて、今日で4日目。再開といっても初日は1時間で帰ってきたし、昨日は家庭学習ということで休み。名簿の番号でクラスが半分ずつ登校している感じです。

 いっちゃんところはどうなんやろ?


 昨日からふつふつといっちゃんに書きたいものが浮かんできて、それはどれもこれもいつか文章にしたいなと思っていたものたちです。いっちゃんの「コロナジャーナル」を読んで、書き留めないと流れていってしまうことだらけやと改めて思ったんよ。どれもたわいも無いことかも知れへんけどな。ということで書くよ!

 うちにはレモンの鉢植えがひと鉢あります。これは和歌山県出身の友人が、実家から送られてきたレモンの実の種を庭に埋めたら芽が出たもので、ひょろひょろとした細い幹の木です。数年前にナミアゲハの幼虫を友人にもらって(育てている山椒の木にアゲハが卵を産むので、毎回友人は幼虫を苦々しく思っていて、鴨川に捨てていたのを救出した)、餌の柑橘類の葉を探している時にもらったものやねん。今年は環境が気に入ったのか、今までになくどんどんと大きくなって、新しくて大きな葉っぱをたくさん茂らせていました。そのまだ若くて柔らかそうな葉っぱを見ながら、今年は何匹くらい幼虫を育てられるかな? と密かに楽しみにしてたのです。

 誤解のないように言っておくと、私は虫が大好きという訳ではありません。動きが止まるほど嫌いなのはゴキブリやし、幼虫も得意な方ではないのです。けれど、男子二人と暮らしているとそうも言っておられず、少しずつ親しくなっていっているという感じ。

 近所にまりっぺとよんでいる友人がいるんやけど彼女の家が一家で虫好き。知り合って間もない頃に、「帰省する間、もうすぐ羽化しそうな蝶の蛹を預かってもらえへんやろか」と相談された事で急接近して仲良くなったという訳。私はまりっぺの事がとにかく好きで、まりっぺに会っておしゃべりしていると、必ず心の中で3回は、「まりっぺ最高!」と叫んでいるのです。いっちゃんが初めて家に来て泊まっていってくれた時も、「いっちゃん最高!」と叫んでいたんやに。気づいてた?

 話がそれた。それでまりっぺとは5月頃から「今年も幼虫の季節がきたね」とか「お宅は今どのくらいになった? うちは4齢幼虫にさしかかったよ」とかいう会話がラインで飛び交い、まるで我が子の動画や写真を送り合うように幼虫の成長っぷりを報告してんねん。

 あの子たちったらね、卵から生まれたての頃はさ、黒いイガイガした粒のような体なのに、大きくなると黒い体を脱皮して緑色になるんよ。その頃の様子はもう柔らかそうな肌といい、もちもちした感じといいまるで赤ちゃんのようでさ、そしてもりもり音がするくらい葉っぱを食べるんよ。文字通りぐんぐんと目に見えて大きくなる。それはそれはたくましい訳。そしてある時ふっとその時が来ると人知れずずっといたレモンの木を離れ、蛹になる場所を探しに旅立つんよ。その様子もなんだか子が巣立っていくようでさ。いちいち母のような気持ちになるんよ。

 去年ね、そんな幼虫の季節も終わりになる頃、その小さなレモンの木にまだ葉っぱが少し残っていたんよ。それを見て「もう一匹くらいなら育てられるかも!」と強く思ったん。

 45歳くらいの頃、無性に赤ちゃんをもう一人産みたい。産むなら正真正銘これが最後のチャンスやと悶々としていた時期があってさ、その頃は体力的にもこれからどんどん劣っていくだろうけれど、今なら二人の子どもたちも協力してくれるやろし、何より今あの小さな赤ちゃんが家にやって来たらどんな日々がやってくるんやろ!と想像するだけでも楽しかったねん。

「あおむしをもう一匹育てられる」と思ったのは、葉っぱと私の中の赤ちゃんを育てたいという気持ちや体力とが重なってたんちゃうやろかと思う。

 これは生き物として、子孫を増やさなあかんという感情がDNAに埋め込まれてるんかしらと思うわ。今年も第1期のあおむしたちは旅立って行って、今第2期を迎えようとしてるところ。これからはあおむしのお母さんとして頑張ってこうと思う。




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